一律には言えません。個々の状態に合わせた見極めが必要です。
A. アトピー性皮膚炎と食べ物の関係は、人それぞれ異なります。もし「これを食べれば治る」「これを食べてはいけない」といった明確な決まりがあるなら、すでに多くの患者さんが食事指導だけで簡単に治っているはずです。
実際には食べ物アレルギー以外で、食べ物がアトピー性皮膚炎の直接の原因になることはほとんどありません。食べ物は、あくまで“悪化因子”の一つになりうる可能性があるだけで、食事だけに注意を向けても根本的な解決にはなりません。
世の中では「肉はダメ」「小麦は避けるべき」「砂糖は悪い」といった情報が多く見られますが、私自身の臨床経験からは、これらが必ずしもアトピーを悪化させる原因とは限らないと感じています。
ただし、「やってみたい」と思う方がこれらの食品を控えること自体は問題ありません。食べないことで、その食品による影響が体に及ばないため、治療に悪影響を及ぼすこともありません。
一方で、「アトピーによい」と言われる食べ物であっても、体質に合わなければ逆に症状を悪化させる場合もあります。逆に体に合わない食べ物を毎日摂っている場合は、回復を妨げることもあります。
そのため当院では、診察を通じてお一人おひとりの体質や症状を見極め、どの食べ物が体に合っているか、治癒の妨げになっていないかを判断し、必要に応じて具体的にアドバイスしています。
基本的には、偏りなくバランスよく食べることをおすすめします。ご自身やお子さんの食事について不安な点があれば、自己判断せずご相談ください。