保湿はおすすめですが、しなくても構いません――何を使うかは、診察で確認することが大切です
A. 基本的には保湿をおすすめしますが、どうしてもしたくない場合は、無理にする必要はありません。
乾燥やかゆみの原因には、主に2つの種類があります。
1つは、アトピー性皮膚炎そのものによって起きる病的な乾燥やかゆみ。
もう1つは、季節や空気の乾燥など、外部環境による乾燥やかゆみです。
前者(病気によるもの)は、病気そのものが改善しない限り治まりません。つまり、治療が唯一の対策です。
一方、後者(環境によるもの)は、保湿によって一時的に防ぐことができます。少しでも快適に過ごせるのであれば、保湿はしたほうが良いでしょう。
ただし、重要なのは**「何で保湿するか」**です。
使う保湿剤が、身体の回復を妨げていないかどうかは、診察によって判断する必要があります。
「保湿をすると、身体が本来持っている潤す力が働かなくなる」と言う方もいますが、臨床経験からするとそのようなことはありません。
身体はそこまで単純ではなく、必要に応じて回復力はきちんと発揮されます。
どうしても保湿したくない場合も、治療の妨げになることはありません。
何かを“与える”ことで影響が出ることはありますが、“使わない”ことは身体に影響を与えません。
そのため、**「保湿したくないならしなくても構わない」**というスタンスを当院ではとっています。